ご挨拶

15_3 とりあえず、自分がどれぐらいできるのかわかりませんが、小さな会社をはじめてみました。
 事業内容は、人工知能です。私は、人間並み(または、それ以上)に賢い機械を創りだすことはいつか必ずできる事と思っています。しかし、人間のように魂を持った機械を作ろうとは思っていません。それは、ちょうど、「鳥」のように飛びたいと思って作った機械が羽ばたかない、全く別のメカニズムを持った「飛行機」「ヘリコプター」等になった事と似ています。この時に、必要なのは揚力に関する科学的知見だけです。羽毛や翼の構造の知見はいらないのです。
 人間のように賢い機械を作ろうとしても、人間にそっくりになるとは思っていません。特に、「心」「魂」(以下、「魂」と言います)についての知見は少なすぎる上に、論争に決着がついていません。「魂」は、いくつかの宗教の指摘するように肉体とは別にあるのでしょうか?あるいは、フランシス・クリック先生が言ったように通常の物理現象の必然の結果なのでしょうか?ロジャー・ペンローズ先生が主張するように量子力学的に説明できるのでしょうか?このような「魂」の論争に比較すると、機械学習等の研究によって「知能」に関する人間と機械の共通性は見出しやすくなっています。必要な科学的事実が必ず見つけられるはずです。だから、人間の脳の仕組みや思考方法等をよく観察し、丹念に科学的事実と照らし合わせれば、必ず人工知能はできるはずです。
 社名「ビスト」は、Biologically Inspired Software Technologyの頭文字”BIST”に由来しています。生物が持つ特徴をよく観察し、そこから示唆を得て作っていけば、いつか誰かが人工知能を完成させるでしょう。様々の場所でこの挑戦は始まっていますが、私がイメージしたものがありません。で、この会社は、結構気楽な気持ちで、私のイメージする「古典物理数学の応用問題としての人工知能を作ってみたいなぁ〜」と始めた会社です。

2015年9月1日
代表取締役 永嶋 史朗

永嶋 史朗 略歴

・1959年 東京、両国生まれ
・1988年 慶応義塾大学工学研究科博士課程終了、工学博士
・1989年 富士通入社
・2015年 富士通退社、株式会社ビスト創立